「内部通報」に代わるとても簡単な不正不祥事の検知方法について話せます
¥50,000~■背景 三井住友信託銀行にて、長く法務コンプライアンスを担当。不正不祥事防止対策にも取組み、退職後にその知見を生かしてセミナーや教材作成なども行って参りました。 内部通報制度は、基本的に役に立たない、というのが私の意見です。 それに代わって簡単でとても役に立つ方法を現役時代に試して参りました。 要するに簡単なアンケートをしっかり活用することです。信じられない程の効果が期待できます。 「話せること」の欄に概要をお示ししました ■話せること 1.内部通報はなぜ役に立たないのか。 ①通報をためらう人の気持ちを察するべき 内部通報は基本的に使い勝手が悪いのです。自分の通報で上司や同僚を裏切るのではという躊躇、的確に事実を把握できているかという不安、何よりも会社から仕返しされないか、というおそれです。「通報者に不利益な処分はしない」といっても、人事異動でとんでもない部署に配転されないか、という懸念がつきまとう。会社は「通常の異動の範囲」というだけでしょう。転職がままならない我国では、一生飼い殺しにされかねません。 ②内部通報制度は、現実離れした想定に立っている。 内部通報制度は、勇気ある人が、自己犠牲をいとわず的確な調査の上で経営層に通報する、という現実離れした想定の上に立っています。それなら、監督官庁、マスコミ、さらにSNSなどで社外への告発に動くのが、むしろ自然でしょう。 2.現場の簡単なアンケートこそが役に立つ。内部通報の本来の目的は、現場の声がそのまま経営層に伝わること。 そのための仕組みを考えるべき。 内部通報の本来の目的は、現場で気がかりなこと、疑問なことを中間管理職に妨げられずに経営層に伝えることです。 ごく簡単なやり方として、毎年のコンプライアンス研修アンケートで「その他コンプライアンスでお気づきの点、疑問の点があれば自由にお書きください。」という記入欄を設けました。 思いがけない情報も入手できました。全社員向け必須研修で、アンケートもその一環として回答を求められるので、心理的抵抗なく気軽に記入できるのでしょう。 「そんなことしたら、山のようにアンケートが集まって収拾がつかなくなる。」「誹謗中傷のアンケートばかりになるのではないか。」そのような心配は無用です。コンプライアンス研修の一環です。従業員の皆さんは真剣に考えて真面目に回答してくれます。 何といっても、「経営者は、本部は、現場の声をしっかり聴こうとしている!」という姿勢が従業員の皆さんにはっきり伝わるのです。 (参考ブログ) 内部通報制度は根本的に役に立たない。 https://toranekodoraneko.muragon.com/entry/465.html 以上